私が奏でているのはシンギングリンという日本で開発された倍音豊かな音響楽器。
その音色を聞く事で脳波がアルファ波、シータ波に移行してセラピー効果がある事が立証されていて、宇宙の音「オーン」をそのまま地球に再現したような神秘的な音色。
8年前にこの楽器と出逢ってから数々の壁にあたり、音色を活かせる環境を求めて屋久島に移住して4年。
屋久島の自然音の中で奏でるのが一番心地よく満足していたが、表現したい事と音響機器に限界を感じていた。
精神性と芸術性の両面を兼ね備えたエンターテインメント。何度か他の楽器や声楽家の方とのコラボをしてみたが、シンギングリンの音色が上手く会場に伝わらない。倍音の良さがカットされてしまう。
リンの音色を収集する為に野外ステージでは音響屋さんに十万近く支払い、コンサートホールでは特殊マイクを追加料金で手配してみたが納得できる音響とは言えなかった。
初めて、HADOを目にしたのは2012年7月、依頼されていた演奏にサロッド奏者のコウサカワタル氏を招いた時に彼が持ってきた時だった。
その時は当たり前のマイクで音を収集したので「耳に優しい音」くらいにしか感じなかったが、コウサカ氏と本格的にコラボでの演奏活動を始めるにあたって特殊マイクを導入してHADOに合うアンプを吟味して導入した時にその威力は発揮された。
ツアーが始まれば一週間の連続演奏、屋久島の山奥で自然音の中で生活している耳に疲労を与えず演奏するには、HADO以外は考えられない。音を出してみても、『あれ?これ生音?』といった具合だ。
ライブが始まれば豊かな倍音を正確に拡張できる効果で会場全体、観客の殆どがアルファ波状態でうつらうつらと船を漕ぎ始める。
音はエネルギーである、エネルギーを四角い箱の中から一方向だけに出すのは不自然ではないだろうか?素直な広がりを何かと規制や概念で閉じ込めてしまう現在の社会をイメージさせる。
もし、貴方にとって音楽を聴くことが「自然体に戻る」事ならば「耳に優しい音」を体験して欲しい。
音響屋さんへの出費も抑えて「貴方自身に戻れる音」を手に入れることができる。貴方だけのコンサートホールができあがるのだ。
シンギングリン奏者 叶 聖美